長文の英語のリスニングって、難しいですよね。
「ゆっくりと読めば理解できる英文も、
ネイティブの速さで言われると、全く理解が追いつかない。」
というお悩みを抱えた方は、たくさんいらっしゃいます。
巷では、”英語脳に切り替えろ“、等とよく言われますけど、
「それって結局何?」って思う方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、
長文の英語を理解するのが難しい理由としては、
「日本語と英語の語順の違い」、
が最大の理由だと思います。
文章が長くなればなるほど、
英語の語順のまま前から理解していくのが難しくなり、
日本語の語順に並べ替えているうちに、
スピードに追いつかなくなります。
でも大丈夫です。
ちょっとしたコツと練習で、長文のリスニングは
ずっと簡単になります。
と言うわけで今回は、
長文の英語のリスニングのコツをお話しします。
目次
語順の違いについて
たとえば、
I didn’t play tennis with my friend last weekend.
私は先週末、友達とテニスをしませんでした。
この2つの文章を比べてみると、
日本語は最後まで聞かないと
一番大事な情報つまり、
”テニスをしたのかしなかったのか”、わかりませんが、
英語ではそれが最初に来ます。
言い換えると、日本語は大事な情報は最後、
英語は大事な情報は最初、となります。
例外はありますが、これは短文でも長文でも同じです。
日本語の語順に慣れている私たちは、
無意識に文章の最後の方に集中しますが、
英語(特に長文)を聞く場合は、
逆に文章の最初に一番集中するべきなのです。
日本語でも英語でも、
主語と述語動詞がわかれば、
「誰がどうした」という一番大事な部分がわかります。
英語は主語がまず最初に来て、
その後に述語動詞が続きます。
例文では、出だしのI didn’t playの部分ですね。
ここだけでもわかれば残りの部分は、
何を、誰と、いつ、など、2次的な情報なので、
例え聞き逃したとしても、
主語と述語動詞を聞き逃すほどのダメージはありません。
このように英語はとにかく文頭が肝心である、
という事を覚えておきましょう。
質問文の場合は、特に文頭が大事です。
What do you think about the new James Bond movie that was released last week?
先週封切りになった新しいジェームス・ボンドの映画についてどう思いますか?
日本語は最後まで聞かないと、
質問文なのか否かわかりません。
それに対して英語は
What do you thinkと聞けば、
質問文なのだなとわかります。
What do you thinkと聞いたら即座に、
「あっ、何かについての意見を聞かれるんだ。」と、
ピンと来るのが理想です。
How wasだったら、「何かがどうだったか聞かれるんだな」、
Where isだったら、「何かの場所を聞かれるんだな」、
など文頭で理解するのが大切です。
そしてその先は情報が付け足されていくのだ、
と考えてください。
それでは次に、チャンクごとの理解についてお話しします。
チャンク毎の理解について
チャンクとは、二つ以上の単語の塊です。
チャンクごとに理解していくという考え方は、
世界中の言語学者によって研究され、
重要性が認められているテーマです。
先程の例文、
What do you think about the new James Bond movie that was released last week?
をチャンクに分けると、
What do you think: どう思いますか?
about the new James Bond movie: 新しいジェームス・ボンドの映画について
that was released last week?: 先週封切りになった
の3つに分けるのがわかりやすいでしょう。
このように英文はいくつかの単語で、
一つのチャンクが出来上がっています。
チャンク分けにルールはありませんが、
一つ一つのチャンクが、
あまり長すぎず、短すぎずがいいですね。
英文をチャンクに分けて聞くことが出来ると、
英語をチャンクごとに理解できる、
すなわち語順のままに理解できるようになり、
理解のスピードがずっと早くなります。
チャンク分けに関しては、
まずはリーディングで試してみることをお薦めします。
たとえば、
The couple had documented their travels on social media, but Mr. Davis returned home on September 1 without his partner.
という文章をチャンクに分けてみましょう。
The couple had documented:そのカップルは記録を残した
their travels:彼らの旅を(彼らの旅について)
on social media: SNSに
but Mr. Davis returned home:でもデービス氏は家に戻った
on September 1:9月1日に
without his partner:パートナーを連れずに
となります。
まず文頭で一番大事な「誰がどうした。」がわかります。
「彼らは記録を残した」のです。
次は、何の記録を「旅の記録を」、どこに残したか「SNSに残した」と、
情報が増えていきます。
この順番で理解していけば、
英語を前から英語の語順のまま理解していることになります。
さらに続きを見ていきましょう。
この文章は、 途中butで繋がれて、
一つの文章になっていますが、
butの前と後ろは独立した一つの文章でもあります。
つまりbutの後の文章にも主語と述語動詞、
「誰がどうした。」があるということです。
「誰がどうした。」は、デービス氏は家に戻った”ですね、
次は、いつ「9月1日に」、
そしてさらに「パートナーを連れずに」
という情報も足されています。
どうでしょうか?
この部分もこのまま英語の語順で
理解していけるのではないでしょうか?
多くの方がつまずくのが、
関係代名詞の入っている長文ですね。
でも関係代名詞こそが、
チャンクで考えるのに最も相応しいものです。
ここでも、関係代名詞の理解、そしてチャンク分けのやり方を、
リスニングでやる前にリーディングで試してみましょう。
たとえば、
It was my son who broke the vacuum cleaner which I bought last week.
私が先週買った掃除機を壊したのは、私の息子でした。
チャンク分けをすると、
It was my son:私の息子でした
who broke the vacuum cleaner:掃除機を壊した人
which I bought last week:私が先週買った
と、以上のようになります。
各チャンクが理解できれば、文章の意味がわかりますね。
ここでのポイントは、
多くの英語の教材で説明されているように、
「関係代名詞は名詞を後ろから説明するために使われる」、
と考えると、後ろのどの部分が、前のどの部分にかかるのだろうか、
などと考えてしまい、時間がかかります。
それよりも、「名詞に関する情報が付け足されていく」、
と考えると英語の語順のまま理解できますので、
理解のスピードがずっと速くなります。
チャンク分けに慣れたら、
次は簡単なスピーチを聞いてみましょう。
スピーチは、チャンク分けを使ったリスニングの訓練に最適です。
長い文章もありますが、
話し手は多くは、チャンクとチャンクの間で間を置きます。
チャンクの長さは人それぞれですが、
間を置いた箇所は必ずチャンクの区切り目です。
沢山聞いて、耳を慣らしてみてください。
最後はキーワードを抑えることに関してお話しします。
キーワードを抑える練習
多くの方が、一つか二つの単語が聞き取れないと、
そのことにこだわり、その先が全く耳に入らなくなります。
でも、私たちは日本語を聞く時も、
一語一句全て聞き取れない場合もありますが、
そのような時は無意識に意味を推測します。
英語も同じで、
聞き取れなかった箇所の事はアッサリ忘れて、
聞き取れた箇所から内容を推測します。
たとえば以下の文章です。
Billionaire Investor George Soros, one of the richest men on Earth, is a Holocaust survivor.
世界一金持ちの一人で、ビリオネアであるジョージ・ソロスはホロコーストの生存者である。
この文章を聞いた時、
「ジョージ・ソロス」と「ホロコーストの生存者」
という部分がわかれば、
とりあえずは文章の大筋はわかります。
先程お話しした「誰がどうした(どうである)」の部分ですね。
残りの部分はジョージ・ソロスの説明です。
わからなかったとしても、致命的ではありません。
というわけで、
英語の長文の聞き取り方をご説明させていただきました。
まとめると、
- 英文で大事なのは文頭である。
- チャンクごとに理解することにより、長文理解のスピードが速くなる。
- 一語一句聞き取ろうとしないで、聞き取れた箇所から理解する。
となります。
以上の点を意識して、
長文のリスニングをしてみてください。
コツを掴めば、
今までよりずっと聞き取れるようになるはずです。
この記事がお役に立てたら嬉しいです。
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